JURAKURO
京都市内に建つ集合住宅に付属した宿泊所とカフェの造作家具を担当しました。
設計:GENETO Architect’s
京都の西陣に建つ、集合住宅、宿泊施設、カフェが複合した建築である。建物名にも用いられているとおり敷地は、聚楽第の跡地とされているエリアに位置しており、南側の一条通りに接道し北側は智恵光院というお寺に面し南北に細長い典型的な「うなぎの寝床」と言われる敷地形状である。
集合住宅の住人や利用者が、どの様に地域や建物と関わることが現代における京都の集合住宅のあり方であるかを検討した。オーナーと建物のあり方を話す中で、ニ階以上は集合住宅、一階は簡易宿泊所とカフェを設け不特定多数の人を受け入れ、街に開かれたエントランス空間を持つプログラムと決定した。エントランス空間は、暖簾越しにカフェや、エントランスホールの賑わいが通りに滲み出すようオープンな構えとしている。建物と住人の関わりを検討し、JURAKU ROの賃貸住宅は、住居をカスタマイズできることとした。
各住戸は、土間空間と居室、水回り空間の3つが並列された構成となっている。天井は上階のデッキ現し、水回り空間との境はブロック塀である。その他の壁面は、ボード裏を補強している。床は、絨緞で変更も可能。収納も殆ど無い状態の下地の様なワンルーム空間である。住人が、自分なりに必要な収納や家具を考え、GENETOがデザインや作り方を住人と一緒に考え、施工までサポートする仕組みを作った。賃貸住宅でありながら、住人自ら自分らしい暮らしぶりができるようにカスタマイズすることが、空間と住人をより強く結びつけ、永くその場に暮らすことに繋がると考える。それが結果的に、地域の人々との関係を築くきっかけになってくれることを期待している。